音楽著作権のまとめ(概要と現状)

音楽著作権のイメージ

音楽著作権の概要と現状《まとめ》

著作権は、「知的財産権」と呼ばれる権利の一つです。

著作権というのは、国によって扱いがさまざまな権利でもあります。
現在の日本では、なんらかの作品を創作すれば、どんな人が作った場合でも登録などの手続きが一切なくてもその人が「著作者」となり(著作権が発生)、著作権は著作者の死後50年が経過するまで保護されることになっています。
そして、だれかがその作品(著作物)を利用するときに、利用者は著作者の許諾を受け、対価を支払います。たとえば、コンサート・CD・テレビで音楽を利用する人に、その音楽を作った人がその利用を許諾して使用料を受け取るということです。

また、著作権は、お金や土地と同じような財産権で、権利を他人に譲渡・相続することができます。

では、そのような著作物の利用や使用料の徴収などの管理は、著作者本人が自己責任でしなければならないのでしょうか?

音楽著作権の管理においては、以下のような方法があります。

①自分で管理

だれかからあなたの作った音楽・楽曲を使いたい、たとえばコンサートで演奏したいと申し出があった場合、利用を認めるかどうかの判断や条件(使用料等)を、直接その利用者と話し合って決めます。

②著作権管理事業者に委託

あなたの作った楽曲がいろいろな場面で使われるようになってくると、その利用の許可や使用料の回収などの手間はとてもひとりで対応できるものではなくなってきます。そのような場合のために、著作権管理事業者に管理を委託するという方法です。著作権管理事業者が、著作者にかわって利用者に利用許可を出して使用料を受け取り、管理手数料などを差し引いたぶんを権利者に支払います。
JASRACは、著作権管理事業者の代表的な存在です。
JASRACホームページ

③音楽出版社に譲渡

音楽出版者と「著作権(譲渡)契約」を交わすと、音楽出版者が著作権の管理を行います。音楽出版者は、自社で管理するか、JASRACなどの管理事業者に管理を委託するかして対応します。ちなみにメジャーレーベルの楽曲でテレビタイアップなどを行われる場合通常は、レーベル系・事務所系出版社とテレビ局系列出版社など複数の音楽出版社が権利の持ち分を分けて(力関係により取り分比率が変わる)それぞれの取り分比率を定め、「協同出版」という形式を取ることが多いです。

音楽著作権(著作物)を扱う場合の注意点

では、音楽著作権が関係する現場としては、どのようなものがあるでしょうか?

さいしょにも触れましたが、CDを制作・販売するときやコンサートにおいて、だれかの作った楽曲を演奏しようとするときなどはもちろんです。
また、YouTubeなどの動画投稿サイトに個人でアップロードする際に、著作権侵害とならないような注意が必要です。
美容院・飲食店のBGMにも使用料が必要な場合があります。
(飲食店で届出なしにピアノの生演奏をしたことで1千万円をこえる賠償命令が出たケースがあります)
また、JASRACは2015年4月からダンス教室での音楽使用にも著作権使用料を適用するようになっています。

「著作権侵害」というものは、よりシビアに扱われるようになってきています。
しかし、音楽の作り手の権利が確実に保護されるようにしなければならない反面、「著作権使用の厳しすぎる適用は音楽業界を衰退させる」との声があがっているのも事実です。

なお、音楽著作権を管理する団体についてですが、これまで、日本において音楽著作権を管理する団体はJASRACだけでした。 しかし、2001年10月に新しい法律が施行、JASRAC以外の団体でも著作権管理を行えるようになりました。これについては、著作権管理に競争が生まれ活性化につながるのではという意見が多くあります。
最近の有名な話として、avex(エイベックス)がJASRACへの管理委託をやめ、他の著作権管理団体「イーライセンスe-License」に移行する、というニュースがありました。
参考記事:avexがjasracを脱退

音楽著作権というものが存在する目的は、楽曲を生み出してきた、またこれから生み出そうとするクリエイターが安心して創作活動に臨める環境をつくりだすためです。自分の作品が大切に扱われ、自分が創作したものの恩恵(収益)を確実に得られることで、クリエイターたちが守られるのみに限らず、ひいてはわたしたちの文化が守られていくのです。

個人として音楽を楽しむ場合でも、その音楽を利用して楽しむわたしたちひとりひとりの心がけが大切ですね。

《関連記事:音楽の印税について》

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