作曲の基礎・基本(初心者向けの音楽理論と知識)
覚えておきたい作曲の基本
曲を書いているけれど上手くコードが付けられない、
理論的にコードを付けられるようになりたい、
多彩なコードを操れる様になりたい、
このページではそんな方の為に
ポピュラー音楽に使われている理論の基本を
出来る限り噛み砕いて解説したいと思います。
理屈は良いから曲が書きたい!
メロディは有るけどコードが付けられない!
そんな方は当サイト内の”作曲の方法”を先にご覧下さい。
始めに言葉ありき(音を表す言葉:音名について)
当たり前の話ですが、音には名前が有ります。
まずは学校で習うドレミファソラシド。これはイタリア語(ラテン語)です。
口に出しやすく、聞き間違えが少ない事から
メロディや沢山の音を説明する時に良く使います。
そして、もう一つ覚えなくてはいけないのが、
ドをCとした英語の読み方です。
ドをC、レをDとして順に当てはめてゆき、
ソにあたるGまで来るとHには行かずAに行き、またCに戻ります。
ドレミと一緒に並べると、以下の様に対応します。
※スマホ表示だともしかするとズレて見えるかも知れません。。
ドレミファソラシ(ド)
CDEF GAB(C)
最初のドからドレミファソラシドと上がった、
上のドまでの音の広さを”1オクターブ”と呼びます。
この1オクターブ間には、ドレミ~と数えた時は7個しか音が無いですが、
(ドが1個目、ミが3個目、ソが5個目、シが7個目)
実際にはそれぞれの音の間に♯(半音上げる記号)と
♭(半音下げる記号)を用いた”半音”があり、計12個分の音が有ります。
♯表記だとこちら。
ドド♯レレ♯ミファファ♯ソソ♯ララ♯シ(ド)
CC♯DD♯EF F♯ GG♯AA♯B C
♭表記だとこちら。
ドレ♭レミ♭ミファソ♭ソ ラ♭ラシ♭シ(ド)
CD♭DE♭EF G♭G A♭ AB♭B C
注意点は「ミとファ、シとドの間に半音は無い」事と、
「オクターブ上のドは次のオクターブの1つ目のドになる」事、
そして、「半音を表現する際には異名同音が起きる」という事。
異名同音は、”ある半音を表現するのに#とbの二つの呼び名が有る”
そういう意味で解釈してもらえればと思います。
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帰る家はドコにある?(キーについて)
曲は、始まったら終わる様に出来ていますし、
時間と共に盛り上がったり盛り下がったりしています。
この時の、メロディーに使われている音列を”キー(調)”と呼び、
その中で一番落ち着く音を”キーの主音”と呼びます。
このキーの主音が帰る家として有るからこそ、
近所にお出かけした感じ(Aメロ位の盛り上がり)
遥か遠くに旅している感じ(サビでの最高の盛り上がり)
家に辿り着いた感じ(曲が終わる時の落ち着き)
こういった曲の展開を人は感じられるのです。
そしてキーの音列とは、実は”ドレミファソラシド”の事です。
キーの主音は、その中の”ド”にあたる音の事。
ただし、キーの音列がいつもド=Cから始まるとは限りません。
他の音から始める時は、12音を上手く組み合わせて
ドレミ~に聞こえる様に並べる作業が必要です。
key=C(ハ長調)の場合は開始の音はCでCDEFGAB、
key=E(ホ長調)ならEから始まってEF#G#ABC#D#、
これが各々のキーの音列になります。
そして、コード理論上では実際の開始音は無視してしまい、
キーの主音をドとし、そこから順にドレミ~と呼んでしまいます。
key=Eで有れば、実際の音のミファ♯ソ♯~を
聞こえた感じのドレミ~と捉えてしまう訳です。
何故ならドレミ~に聞こえる様に音を並べた時、
開始の音は違ってもそれぞれの音の間隔は一定だからです。
ドから全音(=半音2つ分)上がレ、レから全音上がミ、
ミから半音上がファ、ファの全音上がソ、
その全音上がラ、その全音上がシ、その半音上がド。
(音の間隔は「全全半全全全半」と覚えてしまいましょう)
この音の間隔で並んでいれば、どの音から始めても
開始の音の高さが違うドレミ~に聞こえる筈です。
慣れている簡単なキーからで良いので、
音列が書ける様に訓練しておきましょう。
上記した♯と♭それぞれの12音の音列を指でなぞれば簡単です。
半音なら隣の音、全音なら隣の隣の音になります。
KEY=Dで試してみましょう。
音列はDEF#GABC#Dになります。
音の間隔が「全全半全全全半」になっている事を確認してください。
・曲を司る7つの和音(コードについて)
キーの音列の7音を一つ飛ばしで4つ重ねると、それぞれコード(和音)が出来ます。
ドミソシ、レファラド、ミソシレ、ファラドミ、
ソシレファ、ラドミソ、シレファラ の7つです。
コードらしく、英語表記してみましょう。
key=Cの場合、Cmaj7、Dm7、Em7、Fmaj7、G7、Am7、Bm7(b5)の7つ。
ちなみに3つ重ねでもコードは出来ますが、
これは7の数字を外すだけなので覚えるのは簡単。
さらに、覚えるのは1つ目、4つ目、5つ目、6つ目の計4つで構いません。
key=Cの場合、C、F、G、Amの4つ。
これらのコードは曲を支配しているコードで、
「ダイアトニックコード」と呼ばれています。
ダイアトニックコードはキーの音列同様に、開始音が変わっても
音の間隔は一定なので各コードの響きは変わりません。
前述したkey=Eの音列では4つ目の音はA音(ラ)でした。
なので、key=Eの時にはAmaj7が4つ目の和音になります。
この時、1つ目、2つ目と呼ぶのも面倒なので、
コード理論上ではローマ数字を使い、下の様に記します。
Ⅰmaj7、Ⅱm7、Ⅲm7、Ⅳmaj7、Ⅴ7、Ⅵm7、Ⅶm7(b5)
まとめ
まずキーの音列が判ること、
そしてその音列からダイアトニックコードを導き出せる事が
作曲の基本中の基本になります。
ダイアトニックコードだけで曲は作れますし、
ダイアトニックコードだけで出来ている曲は世の中に沢山有ります。
コードの響きは自分の耳で確認し覚えるのが一番ですが、
それぞれのコードのキャラクターや楽曲での実際の使われ方が気になる方は
是非当サイトの他の記事もご確認下さい。
”コード進行について”のページで詳しい解説をしています。